「不老不死」って気になりますよね。老いもしないし、死ぬこともない。
ただ、「不老」と「不死」はセットで考えられますが、分けて考える必要があります。
『未来惑星ザルドス』という映画があります。不老不死の理想郷は、何をしても死ぬことがないため、人生に飽きて無気力になっていきます。やがて死を願うようになる。死のうとするとバツとして、若さが奪われ、老けていく...。
平均年齢は伸びていますが、最高年齢はあまり変わらないといいます。太古の昔から長生きする人はわずかながらいたのではないかと言われます。平均年齢が30歳の時代に、100歳の人がいれば、通常の3世代にわたって生きているのですから、「あの人は死なないのではないか」と思われても不思議はないわけです。
今でも120歳くらいが最高年齢で、更新されないという不思議があります。遺伝子に寿命に関するものがあり、その限界が120歳くらいだという説もあります。ただし、この遺伝子の存在も懐疑的な学説もあるそうです。それでも、もし、そんな遺伝子があるのなら、遺伝子操作で寿命を伸ばすことができるというわけです。
寿命が長くなっても、健康でいられるかは別問題です。たとえば意識がない状態で生きていても、うれしくないですよね。それとか、SFのように意識をコンピュータのメモリのようなところに保存して生き続けるとかって、どんな気持ちなのでしょう。それって生きていることになるのでしょうか?
「不死」といっても、ゾンビのように撃たれても起き上がって歩き出すような「不死」もどうなのだろうと思います。つまり、体がどのような状態でも生き続けるというもの。こんな「不死」は実現できそうにないので、考えなくてもいいかもしれませんが、病気やケガは避けて通れないわけです。
「不老」のほうも、研究が進んでいます。そもそも昔の60歳と今の60歳は、印象が違います。サザエさんの父の磯野波平は、54歳という設定だそうです。当時の定年は55歳だったそうです。典型的な定年間近の風ぼうをイメージしているわけです。今は、定年を65歳、あるいは70歳に移行しようとしている時代です。60歳はまだまだ元気です。確実に老いのスピードが遅くなっていると言えるのではないでしょうか。
さて、もし加齢しない薬が実用化され、市販されたらどうなるのでしょう。仮にその状態で成長が止まるという前提で考えてみます。最長年齢は最大でも120歳です。
「子どもと大人とどちらがいいですか?」と質問を投げかけると、子どもがいいと返答する人が一定数います。これは立場の問題で、責任がない、働かなくてもいいから子どもと考えるのですが、一生子どもの見た目だとそれも問題ありそうです。しかも「見た目は子供、頭脳は大人」とはなりません。一生脳は子どもです。成長途中で停止しているのですから。
健康のピークは20歳代前半と考えたとしましょう。でも年齢を重ねても、いつまでも見た目が若くて貫禄がありません。どの年齢の体で加齢しない薬を服用するか、非常に悩むことになりそうです。判断を誤ると一生後悔することになるでしょう。
コメント