透明人間効果

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「透明人間になったら、何をしたい?」
と聞かれて、返ってくる答えは「銀行強盗」「異性風呂覗き」など、犯罪になることばかり。
透明人間なんて実現しないから、そう答えているのでしょうが、
潜在的にやってみたいと思っていることでもあるでしょう。

でも、考えてみたらインターネットって、透明人間になっているような気がしませんか?
自分の体は見えないのはもちろん、自分の名前を伏せて、
自分で作ったハンドル(ニックネーム)で行動するのは、透明人間のようです。
突然どこかの掲示板に現れ、書き込みをしていき、そして、自分のブログへ戻っていく…。
名前を伏せて、他人の中傷や批判を書き込むのは、
自分ということがばれないからという心理があるからだと思います。

また、別の見方をすれば、
現実ではない自分の分身をインターネット上に仮想的に行動させているような感じは、
ロールプレイングゲームのキャラクターを操作しているような感じにも似ています。
URLを書き換えれば、アメリカにもヨーロッパにも行けるのは、「どこでもドア」みたいなものですが、
架空の人物をネット上に作り上げ、ブログや掲示板ではその名前で書き込みすることで、
自分とは別の人間として行動させることができます。
この場合は、犯罪などの悪い方向ではなく、自分のキャラクターを育てようとする心理が働きます。
自サイトのアクセスを増やそうとしたり、どこかで良い評価が得られるとうれしいものです。
自分の分身の噂は、検索をすれば見ることができます。

私は、名前を伏せても、犯罪行為にあたるようなことはするつもりはありませんが、
普段現実では経験できない世界をちょっとだけ覗いたりすることはできます。
電車に引かれる瞬間のムービーなんかは、現実に目の前に起きたら、
しばらくショックでブルーな気分になりそうですし、テレビでも放映しませんよね。
そんなのを簡単に見ることができると、だんだん麻痺して、慣れてきて、
子供であれば、自分や他人の命が軽く見えてしまっても無理はないかも、って思います。

もしかしたら透明人間になることよりも刺激的なことがことがインターネット上には点在しているのかもしれません。

「透明人間になったら、何をしたい?」
と聞かれても、「特に何もすることない」というのが今の人たちの返答だったりして…。